穏やかな木目とやわらかな光に包まれる、くらしの舞台
2024年
design: エバーフィールド
[所 在] 熊本県
[工 法] 木造軸組工法
-穏やかな木目とやわらかな光に包まれる、くらしの舞台-
玄関に立つと、木の縦格子と石目タイル、落ち着いたグレーの扉が静かな余白をつくります。
庇の陰が床へすっと伸び、家の気配を整えてから内部へ迎え入れる——そんな所作の美しい入口です。

LDKは、やさしい木目の床と天井のラインがのびやかに続く一室空間。
ソファに腰かけると庭の光がさらりと差し込みます。

キッチン側は木×グレーで素材を切り替え、間接照明のグラデーションが手仕事の温度を引き立てます。ダイニングの先には引き込みの障子。光をやわらかく受け止めながら、必要なときに場を分ける軽やかな仕掛けです。

隣接する和室は、天井の陰影と“浮かせた”床の間収納がつくる静けさが印象的。畳の肌理に沿って光が走り、客間にも、家族の昼寝や遊びの場にも気持ちよく馴染みます。

回遊動線上の水まわりは、家事を負担にしないリズムに整えました。
洗面は横に長い鏡と木の引き出しで支度が並行して進み、背面の土間側へ抜けるとパントリーや収納へ自然につながります。ランドリールームには天井吊りの物干しと実用的なスロップシンク。床や壁の素材をエリアごとに切り替え、濡れ物や家電の扱いまで想像しやすい居心地に。

プライベートゾーンでは、ふたつ並んだアーチが象徴的。
緩やかな曲線のトンネルをくぐると、それぞれのウォークインクローゼットへ。内部はチェック柄のアクセントや可動棚で機能と遊び心をバランスよく配し、朝の支度が自然とはかどります。


廊下越しに見える階段は、手すりの黒と木の笠木で軽やかに。
小さなニッチや操作盤のレイアウトまで丁寧に整えて、生活の作業感を景色に変えています。

日々の動きに寄り添う回遊、光をほどよく拡散する素材、やわらかな曲線と端正な直線。
強い主張ではなく“整えること”を積み重ねたこの住まいは、どの場面でも呼吸が深くなる心地よさを届けてくれます。
長く住むほどに、家族の時間が静かに重なっていく——そんな器を目指しました。