• 一般住宅

都市の景色と呼応する、ブラック&ホワイトの邸宅

2020年

[所 在] 熊本県

-都市の景色と呼応する、ブラック&ホワイトの邸宅-

街並みに端正な陰影を刻む白と黒のボリューム。
その足元に伸びる木製の大扉と黒い石積みの壁が、外観に確かな重心を与えます。庇が描く鋭い影は時間とともに形を変え、ファサードは一日を通して表情を持ち続けます。

エントランスに入ると、黒い大判タイルと石の壁が空間を引き締め、上部から落ちる自然光がテクスチャーを立ち上がらせます。
白い壁面収納は面で整え、生活感を受け止めつつギャラリーのような静けさを保ちます。
隣接するガレージとはガラス越しにつながり、愛車の存在が風景の一部として室内に滲み込みます。

LDKはホテルラウンジのような落ち着き。
天井に浮かぶ間接光がやわらかなグラデーションを描き、午後の光が床を滑る頃には室内の陰影がいっそう深くなります。

キッチンはリブの入った艶やかな扉材とステンレス天板で構成し、リング型のシャンデリアが食卓の時間に華やぎを添えます。
背面は黒で統一し、家電や冷蔵庫まで質感を揃えることで、賑やかな道具が“整った風景”として収まります。

階段室は白い鉄骨とグレーの踏板で軽やかに。連続するハイサイドライトから差し込む光が、黒い石壁に斜めの光跡を落とし、上階へ向かう動作そのものを演出します。素材のコントラストが明確だからこそ、動線は迷いなく、空間は静謐に。


外観は白と黒の箱がずれながら重なる構成。
角に走る窓が街の眺めを拾い、表情にリズムをつくります。

夜には屋上テラスがもうひとつのリビングに変わり、遠景の街明かりと低い星が背景に。植物とチェアを中心に置けば、家族やゲストが自然と輪になる“外の間”が立ち上がります。

強い素材感と光のさじ加減で、都市の暮らしにふさわしい緊張感とくつろぎを同居。濃淡のはっきりしたパレットで統一しながら、時間帯ごとの光を味方につけることで、日常が少し誇らしく感じられる住まいになりました。