• 店舗併用住宅

阿蘇を望む珈琲店と住まいがひとつになった店舗併用住宅

2022年

design: エバーフィールド

[所 在] 熊本県

阿蘇の景色を望む場所に建つ、珈琲店併設の店舗併用住宅です。

外観は、シックなグレーの吹付塗装をベースに、レッドシダーや木製扉で温かなアクセントを加えました。落ち着きのある佇まいの中に、素材のやわらかさが感じられるデザインです。

1階店舗側はスタイリッシュな土間フロアに、重厚感のある一枚板のレジカウンターを据えました。

空間の奥には焙煎室を配置し、焙煎機のライブ感を間近に感じられる構成です。

大開口の窓からは阿蘇の大パノラマが広がり、席から阿蘇山を一望できるよう窓の位置を丁寧に計画。壁に沿って造作したベンチチェアが景色と空間をやさしくつなぎます。

店舗と住居の間には車庫を配置。機能的な緩衝帯でありながら、建物全体をつなぐ重要な要素です。

住居スペースはLDKを中心に、水まわりや収納を効率よくまとめました。
住居部分の床にはワイルドな表情をもつオーク材を採用。キッチンカウンターやパントリーには端正な板材を用い、木を使い分けることで空間に奥行きとニュアンスを生み出しました。天井から床までナチュラルな木をふんだんに用い、素材の連続性が住まいに統一感を与えています。



キッチン奥の寝室は、壁の一部をリブ材で仕上げた落ち着きある空間に。素材の切り替えが空間にリズムを生み出します。

2階には吹抜を囲むホールと多目的スペースを設け、造作のデスク席を配置。デスクワーク中でも景色を望めるよう窓の配置を工夫しました。
自宅2階から店舗へと直接移動できる導線を確保。仕事と暮らしが自然につながる構成です。

この住まいは、設計担当者とお施主様ご夫婦が、何度も打ち合わせを重ねながらかたちにした建物です。
カフェとしての世界観、住まいとしての心地よさ、阿蘇の景色を活かすこと。ひとつひとつ丁寧に対話を重ね、要望を整理し、図面に落とし込みました。

店舗併用住宅は、機能だけでなくバランスが重要です。
仕事の場と暮らしの場をどう分け、どうつなぐのか。
素材をどう使い分けるのか。
景色をどう取り込むのか。

その答えを、お施主様ご夫婦とともに探り続けた結果が、この一棟です。

珈琲の香りと木の質感が重なり合う場所。
仕事と暮らしを丁寧に結んだ、店舗併用住宅が完成しました。