新阿蘇大橋展望所休憩施設(通称 ヨ・ミュール)
2021年
design: 古森弘一建築設計事務所
[所 在] 熊本県
阿蘇の雄大な景色に開かれた展望拠点に、熊本地震の被災地で地域の集いを支えた仮設木造施設「みんなの家」を移築・再生した休憩施設です。
設計は株式会社 古森弘一建築設計事務所、エバーフィールドは施工を担当しました。


本計画の核は、仮設期に地域の方々の談話・見守りの場として機能した「みんなの家」を“次の役割”へ活かすこと。
解体ではなく利活用(移築・再生)を選ぶことで、仮設住宅の建設に込められた想いを次代へ橋渡ししています。


部材一点一点の状態確認と再利用可否の選別を行い、必要最小限の補修・追い加工を実施しました。
躯体に宿る記憶を受け継ぎながら、外装や軒まわりは設計意図に基づいて新たに組み立て直し、屋外環境に耐える仕様へと更新しています。

かつての骨格を土台に、デザインは新しい表情へ——“継承”と“再生”が同居する公共の休憩所となりました。


エバーフィールドはこれまで、応急仮設住宅の建設やその資材の再利用に継続して携わってきました。
本件はその延長線上にある取り組みであり、
つくって終わりにしない資源循環、そして震災の記憶を活かす社会的価値を、施工という実務で支えたプロジェクトです。
阿蘇を訪れる多くの方が、ひと休みしながら景観を楽しむ日常の拠点へ——仮設期の“集いの精神”は、形を変えて今も息づいています。

